椎間板ヘルニアにお風呂と鍼灸は効果的?症状改善のメカニズム
- 鍼灸院 横浜文庫
- 8月26日
- 読了時間: 10分

椎間板ヘルニアでお悩みの方、お風呂と鍼灸の効果に興味をお持ちではありませんか?
この記事では、椎間板ヘルニアの症状や原因を解説した上で、お風呂と鍼灸が症状改善にどう役立つのか、そのメカニズムを分かりやすく説明します。
温熱効果や水圧効果による血行促進、筋肉の緩和作用、神経の興奮抑制など、具体的な効果について詳しく解説することで、ご自身に合ったケア方法を見つけるヒントにしていただけます。
さらに、日常生活での効果的な対策もご紹介していますので、椎間板ヘルニアの痛みを和らげ、快適な生活を送るためにお役立てください。
1. 椎間板ヘルニアとは?

椎間板ヘルニアとは、背骨の骨と骨の間にあるクッションの役割を果たす椎間板の一部が飛び出して、神経を圧迫することで痛みやしびれなどの症状を引き起こす疾患です。
1.1 椎間板ヘルニアの症状
椎間板ヘルニアの症状は、飛び出した椎間板がどの神経を圧迫しているかによって様々です。
代表的な症状としては、腰や背中の痛み、足のしびれ、足の痛み、足の筋力低下などがあります。
症状が悪化すると、排尿・排便障害が起こる場合もありますので、注意が必要です。
症状 | 説明 |
腰痛 | 最も一般的な症状で、鈍痛や鋭い痛みなど、痛みの種類も様々です。 |
坐骨神経痛 | お尻から太ももの後ろ、ふくらはぎにかけての痛みやしびれです。 |
下肢のしびれ | 足先や足の甲、ふくらはぎなどにしびれを感じることがあります。 |
筋力低下 | 進行すると、足に力が入りにくくなることがあります。 |
排尿・排便障害 | 稀ですが、排尿・排便に困難が生じることがあります。このような症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。 |
1.2 椎間板ヘルニアの原因
椎間板ヘルニアの主な原因は、加齢による椎間板の変性です。
椎間板は年齢を重ねるごとに水分が失われ、弾力性が低下していきます。
この状態で重いものを持ち上げたり、無理な姿勢を続けたりすることで、椎間板が飛び出しやすくなります。
その他、遺伝的な要因、肥満、喫煙などもリスクを高める要因として挙げられます。
また、日常生活における長時間のデスクワークや、猫背などの悪い姿勢も椎間板への負担を増大させ、ヘルニアの原因となる可能性があります。
日頃から正しい姿勢を意識し、適度な運動を行うことが大切です。
2. お風呂が椎間板ヘルニアにもたらす効果

お風呂は、椎間板ヘルニアの症状緩和に役立つ効果が期待できます。その効果は主に温熱効果と水圧効果の2つです。
2.1 お風呂で得られる温熱効果と水圧効果
温熱効果と水圧効果は、それぞれ異なるメカニズムで椎間板ヘルニアの症状にアプローチします。
2.2 温熱効果による血行促進と筋肉の緩和作用
温かいお湯に浸かることで、身体が温まり血行が促進されます。血行が促進されると、筋肉や神経への酸素供給が向上し、筋肉の緊張が和らぎ、痛みの緩和につながります。
また、血行促進は、老廃物の排出も促します。
2.3 水圧効果による腰への負担軽減
お湯に浸かると、水圧によって身体が軽く感じられます。
この水圧は、腰にかかる負担を軽減する効果があり、腰痛の緩和に繋がります。水中では浮力によって体重が支えられるため、腰への負担が軽減されるのです。
2.4 椎間板ヘルニアに効果的な入浴方法
椎間板ヘルニアの症状緩和のためには、正しい入浴方法を実践することが大切です。
お湯の温度、入浴時間、入浴姿勢に注意しましょう。
2.4.1 お湯の温度設定
お湯の温度は38~40℃程度のぬるめがおすすめです。
熱すぎるお湯は、かえって筋肉を緊張させてしまう可能性があります。
ぬるめのお湯にゆっくりと浸かることで、リラックス効果を高め、筋肉の緊張を効果的に和らげることができます。
2.4.2 入浴時間
入浴時間は10~20分程度を目安にしましょう。
長時間の入浴は、身体の負担となる場合があるので注意が必要です。特に、のぼせやすい方は、こまめに休憩を取りながら入浴するようにしてください。
2.4.3 入浴姿勢
入浴姿勢にも気を配りましょう。
無理のない姿勢でリラックスして入浴することが大切です。
背中を丸めてしまうと、腰に負担がかかってしまうため、できるだけ背筋を伸ばした姿勢を保つように心がけてください。
浴槽の縁に頭を乗せられる場合は、仰向けで全身を伸ばす姿勢も効果的です。
また、半身浴もおすすめです。半身浴では、心臓への負担が少ないため、長時間の入浴が可能です。
項目 | 推奨 |
温度 | 38~40℃ |
時間 | 10~20分 |
姿勢 | リラックスした姿勢、背筋を伸ばす、仰向け、半身浴 |
これらのポイントを踏まえ、ご自身に合った入浴方法を見つけることが、椎間板ヘルニアの症状緩和への近道となります。
3. 鍼灸が椎間板ヘルニアにもたらす効果

鍼灸は、東洋医学に基づいた治療法で、肩こりや腰痛など様々な症状に効果があるとされています。
椎間板ヘルニアに対しても、痛みを和らげたり、症状を改善したりする効果が期待できます。
具体的には、鎮痛作用、血行促進効果、神経の興奮抑制、筋肉の緩和などが挙げられます。
3.1 鍼灸の鎮痛作用と血行促進効果
鍼灸治療では、身体に鍼を刺したり、灸で温めたりすることで、痛みを和らげる効果が期待できます。
これは、鍼灸刺激によって鎮痛作用のあるエンドルフィンなどの神経伝達物質が分泌されるためと考えられています。
また、血行が促進されることで、筋肉や神経への酸素供給が向上し、痛みの緩和につながります。
さらに、血行促進により、椎間板周辺の炎症物質が除去されやすくなることも、痛みの軽減に寄与すると考えられています。
3.2 鍼灸による神経の興奮抑制と筋肉の緩和
椎間板ヘルニアによる痛みは、神経が圧迫されることで起こります。
鍼灸治療は、神経の興奮を抑える効果があり、この神経の圧迫による痛みを軽減する効果が期待できます。
また、鍼灸刺激は、筋肉の緊張を和らげる効果も持っています。
椎間板ヘルニアになると、周囲の筋肉が緊張してしまい、さらに痛みが増強することがあります。
鍼灸によって筋肉が緩和されれば、痛みの悪循環を断ち切ることが期待できます。
3.3 お風呂と鍼灸の併用による相乗効果
お風呂で温まることで血行が促進され、筋肉がリラックスした状態になります。
この状態で鍼灸治療を受けることで、鍼灸の効果がより高まると考えられます。
つまり、お風呂と鍼灸を併用することで相乗効果が期待できるのです。
項目 | 効果 |
お風呂 | 温熱効果、水圧効果による血行促進、筋肉の緩和 |
鍼灸 | 鎮痛効果、血行促進効果、神経の興奮抑制、筋肉の緩和 |
併用 | 相乗効果により、より高い効果が期待できる |
お風呂で身体を温めてから鍼灸治療を受けることで、より効果的に痛みを和らげ、症状を改善できる可能性があります。
4. 椎間板ヘルニアの治療法

椎間板ヘルニアの治療法は、大きく分けて保存療法と手術療法の2種類があります。
症状の程度や経過、患者さんの状態に合わせて適切な治療法が選択されます。
4.1 保存療法
多くの椎間板ヘルニアは、保存療法で症状が改善します。
保存療法は、手術をせずに痛みやしびれなどの症状を和らげることを目的とした治療法です。主な保存療法には、以下のようなものがあります。
治療法 | 内容 |
薬物療法 | 痛みや炎症を抑えるために、鎮痛剤、消炎鎮痛剤、神経障害性疼痛治療薬などが用いられます。 |
安静 | 急性期には安静にすることが重要です。ただし、長期間の安静は筋力低下につながるため、痛みが軽減してきたら徐々に体を動かすようにします。 |
理学療法 | 腰や背中の筋肉を強化し、柔軟性を高めるための運動療法や、温熱療法、牽引療法などが行われます。 |
コルセット | 腰を固定することで痛みを軽減し、安静を保つのに役立ちます。 |
神経ブロック療法 | 痛みを感じている神経に直接薬剤を注射することで、痛みを緩和する方法です。 |
4.2 手術療法
保存療法で効果が得られない場合や、症状が重い場合には、手術療法が検討されます。
手術療法は、ヘルニアによって圧迫されている神経を解放することを目的としています。
手術法 | 内容 |
椎間板ヘルニア摘出術 | 飛び出した椎間板の一部または全部を切除する手術です。 |
内視鏡下椎間板ヘルニア摘出術 | 小さな切開部から内視鏡を挿入し、ヘルニアを摘出する手術です。身体への負担が少ないのが特徴です。 |
レーザー椎間板減圧術 | レーザーを用いて椎間板内の水分を蒸発させ、椎間板の体積を減らすことで神経の圧迫を軽減する手術です。 |
どの治療法が適切かは、患者さんの症状や状態によって異なります。
専門家とよく相談し、最適な治療法を選択することが大切です。
また、治療後も再発予防のために、日常生活での姿勢や運動に気を付けることが重要です。
5. 日常生活での椎間板ヘルニア対策

日常生活における姿勢や動作は、椎間板ヘルニアの予防と症状緩和に大きく関わってきます。
適切な対策を続けることで、腰への負担を軽減し、再発防止にも繋がります。
5.1 正しい姿勢とストレッチ
正しい姿勢を維持することは、椎間板への負担を軽減する上で非常に重要です。
立っているときは、背筋を伸ばし、お腹に軽く力を入れて腰を支えるように意識しましょう。
座っているときは、深く腰掛け、背もたれを利用して背中を支え、足を床にしっかりとつけましょう。
長時間同じ姿勢を続ける場合は、こまめに休憩を取り、軽いストレッチを行うようにしてください。
ストレッチは、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進する効果があります。
特に、腰回りや太ももの裏側の筋肉を重点的にストレッチすることで、椎間板への負担を軽減することができます。下記にいくつか効果的なストレッチを紹介します。
ストレッチ名 | 方法 | 注意点 |
膝抱えストレッチ | 仰向けに寝て、両膝を胸に引き寄せ抱えます。 | 腰に痛みがある場合は無理に行わない。 |
ハムストリングスストレッチ | 仰向けに寝て、片足を天井に向けて伸ばし、膝の裏を手で支えながら、ゆっくりと膝を伸ばします。 | 痛みを感じない範囲で行う。 |
お尻ストレッチ | 仰向けに寝て、片足をもう片方の足の太ももに乗せ、両手で太もも裏を抱えて胸に引き寄せます。 | 股関節に痛みがある場合は無理に行わない。 |
これらのストレッチは、痛みを感じない範囲で、ゆっくりと呼吸をしながら行うことが大切です。また、毎日継続して行うことで、より効果を実感することができます。
5.2 適度な運動
適度な運動は、腰周りの筋肉を強化し、椎間板を支える力をつけるのに役立ちます。
ウォーキングや水泳など、腰に負担の少ない運動を積極的に取り入れましょう。
ウォーキングは、正しい姿勢を意識しながら、自分のペースで歩くことが大切です。
水泳は、浮力によって腰への負担が軽減されるため、椎間板ヘルニアの方にもおすすめの運動です。
ただし、激しい運動や急に体をひねる動作は、症状を悪化させる可能性があるため、避けるようにしましょう。
運動中に痛みを感じた場合は、すぐに中止し、安静にしてください。どの運動が適しているかは症状によって異なるため、不安な場合は専門家に相談することをお勧めします。
日常生活におけるこれらの対策を継続的に行うことで、椎間板ヘルニアの症状を緩和し、快適な生活を送ることに繋がります。
ご自身の状態に合わせて、無理なく続けられる方法を見つけることが大切です。
6. まとめ

椎間板ヘルニアは、痛みやしびれを伴うつらい症状ですが、お風呂と鍼灸を活用することで症状を和らげることができる可能性があります。
お風呂の温熱効果と水圧効果は、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげ、腰への負担を軽減します。
鍼灸は、鎮痛作用や血行促進効果に加え、神経の興奮を抑制し、筋肉を緩和する効果も期待できます。
これらの効果をより高めるためには、お風呂と鍼灸を併用することも有効です。
入浴方法や鍼灸の施術については、それぞれ適切な方法で行うことが重要です。
また、日常生活では正しい姿勢や適度な運動を心がけ、症状の悪化を防ぎましょう。
お悩みの方は当院へご相談ください。




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