五十肩の原因は日常生活に潜む!鍼灸治療で早期改善を目指そう
- 鍼灸院 横浜文庫
- 2月21日
- 読了時間: 13分

つらい五十肩の痛み、どうすれば改善できるのか悩んでいませんか? 日常生活の何気ない動作が原因で発症することも多い五十肩。
このページでは、五十肩の症状や原因、日常生活に潜む意外な落とし穴、そして効果的な改善策としての鍼灸治療について詳しく解説します。
肩の痛みやしびれ、動かしにくさといった五十肩の症状に悩まされている方はもちろん、未然に防ぎたい方にも役立つ情報が満載です。
五十肩のメカニズムを理解し、鍼灸治療による効果、自宅でできる予防法を学ぶことで、早期改善を目指しましょう。
快適な日常生活を取り戻すための第一歩を、ここから踏み出してみませんか?
1. 五十肩とは?

五十肩は、正式には肩関節周囲炎と呼ばれ、肩関節とその周辺組織に炎症や痛み、運動制限が生じる疾患です。
40代から50代に多く発症することから、五十肩という通称で広く知られています。
明確な原因が特定できないことも多く、加齢に伴う組織の老化や、日常生活での負担の蓄積などが発症に関与していると考えられています。
肩の痛みだけでなく、腕が上がらない、背中に手が回らない、夜間痛などで日常生活に支障をきたすこともあります。
1.1 五十肩の症状
五十肩の症状は、大きく分けて3つの時期に分けられます。
時期 | 症状 | 期間 |
急性期(炎症期) |
| 数週間~数ヶ月 |
慢性期(拘縮期) |
| 数ヶ月~半年 |
回復期(回復期) |
| 数ヶ月~1年以上 |
これらの時期は必ずしも明確に区別できるわけではなく、個人差があります。また、症状の程度も人によって大きく異なります。
1.2 五十肩になりやすい人の特徴
五十肩は誰にでも起こりうる疾患ですが、特に以下のような特徴を持つ人は注意が必要です。
40代~50代の人:加齢とともに肩関節周囲の組織が老化しやすくなるため、五十肩の発症リスクが高まります。
女性:女性ホルモンの変動が肩関節周囲の組織に影響を与える可能性が指摘されています。特に更年期を迎える女性は注意が必要です。
糖尿病、甲状腺疾患などの持病がある人:これらの疾患は、五十肩の発症リスクを高める要因となることがあります。
肩を酷使する人:デスクワークや、重い荷物を運ぶ作業など、肩に負担がかかる作業を日常的に行っている人は、五十肩になりやすい傾向があります。
猫背や姿勢が悪い人:姿勢が悪いと肩関節周囲の筋肉や靭帯に負担がかかり、五十肩のリスクを高める可能性があります。
精神的なストレスが多い人:ストレスは自律神経のバランスを崩し、筋肉の緊張を高めるため、五十肩の発症に影響を与える可能性があります。
冷え性の人:冷えは血行不良を引き起こし、肩関節周囲の組織の修復を遅らせる可能性があります。
これらの特徴に当てはまるからといって必ずしも五十肩になるわけではありませんが、日頃から肩のケアを心がけ、予防に努めることが大切です。
2. 日常生活で潜む五十肩の原因

日常生活の中には、知らず知らずのうちに五十肩を引き起こす原因が潜んでいます。肩への負担を意識し、適切なケアを行うことで、発症リスクを減らすことが可能です。
2.1 姿勢の悪さ
猫背や前かがみの姿勢は、肩甲骨の動きを阻害し、肩関節周囲の筋肉に負担をかけます。長時間のデスクワークやスマートフォンの使用は、姿勢が悪くなりがちなので注意が必要です。正しい姿勢を保つことは、五十肩予防の第一歩と言えるでしょう。
2.1.1 デスクワーク
デスクワークでは、長時間同じ姿勢を続けるため、肩や首の筋肉が緊張しやすく、血行不良を起こしやすくなります。こまめな休憩を挟み、肩甲骨を動かすストレッチなどを取り入れると良いでしょう。
また、デスクと椅子の高さを適切に調整し、モニターの位置を目の高さに合わせることで、姿勢の悪化を防ぎましょう。キーボードやマウスの位置も重要です。腕を無理なく伸ばせる位置に調整することで、肩への負担を軽減できます。
2.1.2 スマホの使いすぎ
スマートフォンを長時間使用すると、下を向いた姿勢になりがちです。この姿勢は、首や肩に大きな負担をかけ、五十肩の原因となる筋肉の緊張や血行不良を招きます。
スマホを使用する際は、画面を目の高さに持ち上げる、こまめに休憩を取るなどの工夫を心掛けましょう。
また、ストレートネックも五十肩のリスクを高めるため、スマホの使いすぎには注意が必要です。
2.2 運動不足
運動不足は、肩関節周囲の筋肉を弱らせ、柔軟性を低下させます。
適度な運動は、筋肉の強化や血行促進に繋がり、五十肩の予防に効果的です。例えば、ウォーキングや水泳などの全身運動は、肩関節の可動域を広げることにも繋がります。
2.3 冷え
冷えは、血行を悪くし、筋肉を硬くすることで、肩関節の動きを制限し、痛みを増強させる可能性があります。体を冷やさないように、特に冬場は、肩や首を温めることが重要です。温かい服装を心がけたり、入浴で体を温めたりするのも効果的です。
また、冷房の効いた部屋では、ストールやカーディガンなどで肩を冷やさないように注意しましょう。
2.4 肩への負担のかかる動作
日常生活での特定の動作が、肩関節に負担をかけ、五十肩の発症リスクを高める可能性があります。重い荷物を持つ、高い場所に手を伸ばすといった動作は、肩関節に大きなストレスを与えます。
これらの動作を行う際は、姿勢に気を付け、無理な力をかけないように意識しましょう。
2.4.1 重い荷物の持ち運び
重い荷物を持ち運ぶ際は、両肩に均等に重さを分散させることが大切です。片方の肩だけに負担をかけ続けると、五十肩のリスクが高まります。リュックサックやキャリーバッグを使用する、荷物を小分けにするなどの工夫をしましょう。
また、無理に重いものを持ち上げようとせず、周囲の人に助けを求めることも重要です。
2.4.2 洗濯物を干す
洗濯物を干す際に、高い場所に腕を伸ばす動作は、肩関節に負担をかけます。特に、洗濯物を何度も持ち上げたり、腕を捻ったりする動作は、肩関節周囲の筋肉や腱を痛めやすいです。踏み台を使用する、洗濯物の量を調整する、物干し竿の高さを調整するなど、肩への負担を軽減する工夫をしましょう。
また、洗濯物を干す前に、肩周りのストレッチを行うことで、筋肉の柔軟性を高め、負担を軽減できます。
原因 | 具体的な例 | 予防策 |
姿勢の悪さ | デスクワーク、スマホの使いすぎ | 正しい姿勢を意識する、休憩を取る、ストレッチをする |
運動不足 | ウォーキング不足、水泳不足 | 定期的な運動習慣を身につける、軽い運動から始める |
冷え | 薄着、冷房の当たりすぎ | 温かい服装をする、体を温める、冷房対策をする |
肩への負担のかかる動作 | 重い荷物の持ち運び、洗濯物を干す、高い所の物を取る | 無理な動作を避ける、姿勢に注意する、道具を使う |
3. 五十肩の改善に鍼灸治療が効果的な理由

五十肩でお悩みの方にとって、鍼灸治療は効果的な選択肢の一つです。
西洋医学的な治療とは異なるアプローチで、身体の自然治癒力を高めることで症状の改善を目指します。具体的には、筋肉の緊張緩和、血行促進、痛みの軽減といった効果が期待できます。
以下に、鍼灸治療が五十肩の改善に効果的な理由を詳しく解説します。
3.1 筋肉の緊張緩和
五十肩の痛みの原因の一つは、肩周辺の筋肉の緊張です。鍼治療は、筋肉に直接アプローチすることで、緊張を緩和し、肩の可動域を広げる効果が期待できます。硬くなった筋肉に鍼を刺入することで、筋肉の過剰な収縮を抑え、リラックスした状態へと導きます。
また、トリガーポイントと呼ばれる痛みの引き金となる部分に鍼を刺すことで、より効果的に痛みを緩和することができます。
3.2 血行促進効果
血行不良もまた、五十肩の症状を悪化させる要因です。肩周辺の血行が悪くなると、筋肉や組織への酸素供給が不足し、痛みや炎症が増強します。
鍼灸治療は、血行を促進することで、これらの症状を改善する効果があります。鍼を刺入することで、局所的な血流が改善され、酸素や栄養がスムーズに供給されるようになります。
また、鍼灸刺激は自律神経にも作用し、全身の血行を促進する効果も期待できます。
3.3 痛みの軽減
五十肩の痛みは、日常生活に支障をきたすほどの強い場合もあります。鍼灸治療は、痛みの軽減にも効果的です。
鍼刺激は、脳内においてエンドルフィンと呼ばれる神経伝達物質の分泌を促進します。エンドルフィンは、モルヒネの数倍もの鎮痛効果を持つと言われており、自然な形で痛みを和らげることができます。
また、鍼灸治療は、炎症を抑える効果もあるため、痛みを根本から改善することに繋がります。
3.4 自然治癒力の向上
鍼灸治療は、身体本来の自然治癒力を高める効果があります。鍼灸刺激は、自律神経や免疫系に作用し、身体の機能を正常化させます。これにより、損傷した組織の修復が促進され、五十肩の症状改善へと繋がります。
西洋医学的な治療とは異なり、身体への負担が少ないため、安心して治療を受けることができます。
効果 | メカニズム |
筋肉の緊張緩和 | 筋肉への直接的な刺激によるリラックス効果、トリガーポイントへのアプローチ |
血行促進 | 局所的な血流改善、自律神経への作用による全身の血行促進 |
痛みの軽減 | エンドルフィン分泌促進による鎮痛効果、炎症抑制効果 |
自然治癒力の向上 | 自律神経・免疫系への作用による身体機能の正常化、組織修復促進 |
鍼灸治療は、五十肩の症状改善に多角的にアプローチできる治療法です。それぞれの症状や体質に合わせて施術が行われるため、効果を実感しやすいというメリットもあります。
五十肩でお悩みの方は、鍼灸治療を試してみてはいかがでしょうか。
4. 日常生活での五十肩の予防法

五十肩は自然に治癒する傾向があるとはいえ、痛みや運動制限の期間を少しでも短くするため、そして再発を防ぐためには、日常生活での予防が重要です。
日々の少しの心がけで、肩の健康を守りましょう。
4.1 ストレッチ
肩甲骨や肩関節周りの筋肉を柔らかく保つことで、五十肩の予防に繋がります。肩甲骨を上下左右に動かす、腕を大きく回す、タオルを使って背中で引っ張るなどのストレッチを、毎日行うようにしましょう。入浴後など体が温まっている時に行うのが効果的です。
4.2 適度な運動
運動不足は、肩周りの筋肉の衰えや血行不良を招き、五十肩のリスクを高めます。ウォーキングや水泳など、肩に負担をかけすぎない有酸素運動を習慣に取り入れましょう。週に3回程度、30分以上の運動を目安に行うと良いでしょう。
無理のない範囲で、徐々に運動量を増やしていくことが大切です。
4.3 姿勢の改善
猫背や前かがみの姿勢は、肩甲骨の動きを制限し、肩周りの筋肉に負担をかけます。正しい姿勢を意識することで、五十肩の予防だけでなく、体全体の健康にも繋がります。
デスクワーク中は、椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばし、パソコンの画面を目線の高さに合わせることを心がけましょう。
また、長時間同じ姿勢を続けることを避け、こまめに休憩を取り、軽いストレッチを行うことも効果的です。
4.3.1 デスクワークでの姿勢
良い姿勢 | 悪い姿勢 |
|
|
4.3.2 スマートフォンの使用時の姿勢
スマートフォンの長時間使用は、いわゆる「スマホ首」の状態になり、首や肩への負担を増大させ、五十肩のリスクを高める可能性があります。
スマートフォンを使用する際は、画面を目線の高さに持ち上げ、長時間同じ姿勢を続けないように注意しましょう。こまめに休憩を取り、首や肩を回すなどのストレッチを行うことが重要です。
4.4 体を温める
冷えは、血行不良を招き、筋肉の緊張を高め、五十肩の痛みを悪化させる要因となります。特に、冬場は肩や首を冷やさないように、マフラーやストールなどを活用しましょう。
また、湯船に浸かる、温かい飲み物を飲むなど、体を内側から温める習慣も大切です。シャワーだけで済ませずに、ゆっくりと湯船に浸かり、肩までしっかりと温めるようにしましょう。入浴剤を使用するのも良いでしょう。
4.4.1 冷え対策の具体例
衣服:重ね着をする、保温性の高い素材の服を着る、マフラーやストール、手袋をする
入浴:湯船に浸かる(38~40℃のぬるめのお湯に15~20分程度)、入浴剤を使うと良い
食事:温かい飲み物や食べ物を摂る(生姜湯、紅茶、スープなど)、根菜類を積極的に摂る
運動:適度な運動で血行促進
睡眠:質の良い睡眠を十分に取る
これらの予防法を日常生活に取り入れることで、五十肩の発症リスクを軽減し、健康な肩を維持することができます。
すでに五十肩の症状がある方は、これらの予防法に加えて、専門家による適切な治療を受けることが重要です。
5. 五十肩の鍼灸治療に関するよくある質問

五十肩に悩まされている方から、鍼灸治療についてよくいただく質問にお答えします。
5.1 鍼灸治療は痛いですか?
鍼治療で使用される鍼は、髪の毛ほどの非常に細いものです。注射針とは異なり、痛みはほとんど感じません。
人によっては、鍼を刺入する際にチクッとした感覚や、鍼が体内にあるときにズーンとした重だるい感覚を覚えることがありますが、我慢できないほどの痛みではありません。
心配な方は、施術前に鍼灸師に相談してみましょう。
5.2 治療期間はどのくらいですか?
五十肩の治療期間は、症状の重さや個人差によって異なります。一般的には、数週間から数ヶ月かかることが多いです。
また、日常生活でのケアやセルフストレッチなども並行して行うことで、より早く改善が見込めます。鍼灸師と相談しながら、最適な治療計画を立てましょう。
5.3 鍼灸治療は何回くらい受ければ良いですか?
五十肩の鍼灸治療の頻度は、症状の程度や治療の経過によって異なります。初期は週に2~3回、症状が軽快してくると週に1回程度で様子を見る場合が多いです。症状が改善してきたら、月に1~2回のメンテナンスとして継続していくこともおすすめです。
鍼灸師と相談しながら、ご自身の状態に合わせた通院頻度を決めましょう。
5.4 どのような服装で治療を受ければ良いですか?
鍼灸治療を受ける際は、肩や腕を出しやすい、ゆったりとした服装がおすすめです。施術着を用意している鍼灸院もありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
また、アクセサリーや時計、香水などは治療前に外しておきましょう。
5.5 治療を受ける際の注意点はありますか?
治療前は、空腹時や満腹時を避け、リラックスした状態で受けるようにしましょう。また、睡眠不足や過労の状態では、治療効果が十分に得られない場合もあります。
体調が優れない場合は、鍼灸師に相談しましょう。治療後は、激しい運動や飲酒は控え、安静にすることをおすすめします。
5.6 五十肩以外の症状にも鍼灸治療は有効ですか?
鍼灸治療は、五十肩だけでなく、腰痛や膝痛、頭痛、神経痛、自律神経失調症など、様々な症状に効果があるとされています。体の不調を感じたら、一度鍼灸院に相談してみるのも良いでしょう。
6. まとめ

五十肩は、中高年になると多くの人が経験する肩関節周囲炎です。その原因は、加齢による組織の老化だけでなく、日常生活での姿勢の悪さや運動不足、冷え、肩への負担など、様々な要因が複雑に絡み合って発症します。デスクワークやスマートフォンの長時間使用による姿勢の悪化、重い荷物の持ち運びや洗濯物干しといった家事動作も、五十肩の引き金となることがあります。
五十肩の痛みや可動域制限を改善するためには、鍼灸治療が効果的です。鍼灸治療は、筋肉の緊張を緩和し、血行を促進することで、肩関節周囲の炎症を抑え、痛みを軽減します。さらに、自然治癒力を高める効果も期待できます。五十肩でお悩みの方は、我慢せずに早めに医療機関に相談し、適切な治療を受けることをおすすめします。
同時に、日常生活では、ストレッチや適度な運動、正しい姿勢を意識し、体を冷やさないように心がけることで、五十肩の予防・再発防止に努めましょう。
何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。
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