首の椎間板ヘルニアの原因と鍼灸の効果|ツライ痛み痺れを根本改善
- 鍼灸院 横浜文庫
- 1 日前
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首の椎間板ヘルニアでお悩みですか?慢性的な痛みやしびれ、どうすれば良いのか分からず不安な日々を過ごしていませんか?
この記事では、首の椎間板ヘルニアの原因、効果的な治療法としての鍼灸、そして日々の予防法まで、分かりやすく解説します。首の構造や椎間板の役割から始まり、加齢や姿勢、生活習慣といった原因、さらに鍼灸が痛みの緩和や血行促進、自律神経の調整にどう作用するのかを紐解きます。
具体的な鍼灸治療の方法や、ご自身でできる予防策を知ることで、つらい症状の根本改善を目指しましょう。快適な日常生活を取り戻すための一助として、ぜひお役立てください。
1. 首の椎間板ヘルニアとは

首の椎間板ヘルニアは、頸椎にある椎間板が変形したり、飛び出したりすることで、神経を圧迫し、首や肩、腕などに痛みやしびれなどの症状を引き起こす疾患です。
正式名称は「頸椎椎間板ヘルニア」です。日常生活に支障をきたすほどの痛みやしびれに悩まされることもあります。
1.1 頸椎の構造と椎間板の役割
頸椎は、頭蓋骨の下から続く7つの骨で構成されています。それぞれの骨の間には椎間板と呼ばれるクッションの役割を果たす組織が存在します。
この椎間板は、中心部の髄核とそれを囲む線維輪からできています。髄核はゼリー状で弾力があり、衝撃を吸収する役割を担っています。線維輪は、髄核を包み込み、安定させる役割を担っています。
また、頸椎には脊髄神経が通っており、脳からの指令を体へと伝達する重要な役割を担っています。
構成要素 | 役割 |
頸椎 | 頭を支え、動かす |
椎間板 | クッションの役割を果たし、衝撃を吸収する |
髄核 | ゼリー状の組織で、衝撃を吸収する |
線維輪 | 髄核を包み込み、安定させる |
脊髄神経 | 脳からの指令を体へと伝達する |
1.2 首の椎間板ヘルニアの症状
首の椎間板ヘルニアの症状は、神経が圧迫される部位や程度によって様々です。
代表的な症状には、首の痛み、肩こり、腕の痛みやしびれ、手のしびれ、脱力感などがあります。
咳やくしゃみで痛みが強くなる場合もあります。
また、進行すると、歩行障害や排尿障害などの症状が現れることもあります。
症状が軽い場合は、放置していても自然に改善することもありますが、重症化すると手術が必要になる場合もあります。そのため、少しでも気になる症状がある場合は、早めに専門家へ相談することが大切です。
2. 首の椎間板ヘルニアの原因

首の椎間板ヘルニアは、様々な要因が複雑に絡み合って発症します。
主な原因として、加齢による椎間板の変性、姿勢不良や日常生活での負担、遺伝的要因、外傷や事故などが挙げられます。
これらの要因が単独、あるいは複数組み合わさって、椎間板への負担を増大させ、ヘルニアへと繋がっていきます。
2.1 加齢による椎間板の変性
椎間板は、水分を多く含んだ弾力のある組織で、クッションの役割を果たしています。
しかし、加齢とともに水分が失われ、弾力性が低下していきます。
この変性が進むと、椎間板がもろくなり、亀裂が生じやすくなります。
そして、最終的には、髄核が飛び出して神経を圧迫し、首の椎間板ヘルニアを発症することになります。
2.2 姿勢不良や日常生活での負担
デスクワークやスマートフォンの長時間使用など、猫背のような姿勢を長時間続けることで、首への負担が増大します。
また、重い物を持ち上げる、頭を強く打つなどの急激な負荷も、椎間板ヘルニアの原因となることがあります。
日常生活におけるこれらの負担の積み重ねが、椎間板へのダメージを蓄積させ、ヘルニアの発症リスクを高めます。
さらに、長時間の運転や、同じ体勢での作業なども、首への負担を増大させる要因となります。
自分に合った椅子や机を使用し、適切な姿勢を保つことが重要です。
2.3 遺伝的要因
椎間板の強度は遺伝的な影響を受けることが知られています。
両親や兄弟に椎間板ヘルニアの既往がある場合、自身も発症するリスクが高くなる可能性があります。
遺伝的な要因は、椎間板の組織構造や変性の進行に影響を及ぼすと考えられています。ただし、遺伝的要因だけで発症が決まるわけではなく、他の要因との相互作用によって発症リスクが変化します。
2.4 外傷や事故
交通事故やスポーツ中のケガなど、首への強い衝撃は、椎間板に直接的なダメージを与え、ヘルニアを引き起こす可能性があります。
特に、むち打ち症などは、首の組織に大きな負担がかかり、椎間板ヘルニアを発症するリスクを高めます。
事故後は、たとえ軽度の症状であっても、医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。
原因 | 詳細 |
加齢 | 椎間板の水分が減少し、弾力性が低下することで、亀裂が生じやすくなる。 |
姿勢不良 | 猫背などの不良姿勢は、首への負担を増大させ、椎間板ヘルニアのリスクを高める。 |
日常生活の負担 | 重い物を持ち上げる、頭を強く打つ、長時間の運転など、首への負担が蓄積することで発症リスクが高まる。 |
遺伝的要因 | 椎間板の強度が遺伝的に影響を受けるため、家族歴がある場合は発症リスクが高まる可能性がある。 |
外傷・事故 | 交通事故やスポーツ中のケガなど、首への強い衝撃が椎間板に直接的なダメージを与え、ヘルニアを引き起こすことがある。 |
3. 首の椎間板ヘルニアの一般的な治療法

首の椎間板ヘルニアの治療法は、大きく分けて保存療法と手術療法の2種類があります。症状の程度や経過、患者さんの状態に合わせて適切な治療法が選択されます。
3.1 保存療法
多くの場合、まずは保存療法が選択されます。保存療法は、手術を行わずに症状の改善を目指す治療法です。主な保存療法には、薬物療法、牽引療法、理学療法などがあります。
3.1.1 薬物療法
痛みや炎症を抑えるために、鎮痛剤や消炎鎮痛剤、筋弛緩剤などが処方されます。神経の炎症や痛みを抑えるために、ビタミンB12製剤などの神経賦活薬が用いられることもあります。
3.1.2 牽引療法
首を牽引することで、椎間板にかかる圧力を軽減し、神経の圧迫を取り除くことを目的としています。牽引の強さや時間は、症状に合わせて調整されます。
3.1.3 理学療法
温熱療法、電気刺激療法、マッサージ、運動療法など、様々な方法があります。
痛みを和らげ、筋肉の緊張をほぐし、関節の動きを改善することで、症状の改善を目指します。日常生活動作の指導も行われます。
3.2 手術療法
保存療法で効果が得られない場合や、神経症状が進行している場合、排尿・排便障害が出現している場合などは、手術療法が検討されます。
手術には、椎間板ヘルニア摘出術、椎弓形成術、人工椎間板置換術など、様々な方法があります。
どの手術法が適切かは、患者さんの状態やヘルニアの程度によって判断されます。
治療法 | 内容 | 目的 |
薬物療法 | 鎮痛剤、消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、神経賦活薬などを服用 | 痛みや炎症を抑える |
牽引療法 | 首を牽引する | 椎間板にかかる圧力を軽減し、神経の圧迫を取り除く |
理学療法 | 温熱療法、電気刺激療法、マッサージ、運動療法など | 痛みを和らげ、筋肉の緊張をほぐし、関節の動きを改善する |
手術療法 | 椎間板ヘルニア摘出術、椎弓形成術、人工椎間板置換術など | 保存療法で効果がない場合や症状が重い場合に、神経の圧迫を取り除く |
それぞれの治療法にはメリットとデメリットがあります。治療法の選択は、専門家とよく相談して、ご自身の症状や状態に合った方法を選ぶことが重要です。
4. 鍼灸が首の椎間板ヘルニアに効果的な理由

慢性的な首の痛みやしびれに悩まされている方にとって、鍼灸治療は症状改善の有効な選択肢の一つとなり得ます。
西洋医学的な治療とは異なるアプローチで、身体本来の自然治癒力を高めることで、根本的な改善を目指します。
具体的には、鍼灸治療は、筋肉の緊張緩和、血行促進、鎮痛効果、自律神経調整効果など、多角的なメカニズムで首の椎間板ヘルニアの症状に働きかけます。
4.1 筋肉の緊張緩和と血行促進効果
首の椎間板ヘルニアになると、周囲の筋肉が緊張し、血行不良を起こしやすくなります。
鍼治療によって筋肉の緊張が緩和されると、血行が促進され、酸素や栄養が患部に届きやすくなります。
その結果、痛みや炎症が軽減し、神経の圧迫も緩和される効果が期待できます。また、血行促進は老廃物の排出も促し、回復を早める効果も期待できます。
4.2 鎮痛効果
鍼灸治療には、エンドルフィンやセロトニンなどの神経伝達物質の分泌を促進する効果があります。
これらの物質は、鎮痛作用を持つため、首や肩の痛みやしびれを軽減する効果が期待できます。
また、トリガーポイントと呼ばれる痛みの原因となる筋肉の硬結に鍼を刺すことで、直接的に痛みを緩和することも可能です。
4.3 自律神経の調整効果
首の椎間板ヘルニアは、痛みやしびれによって自律神経のバランスを崩し、不眠や倦怠感、精神的なストレスなどを引き起こすことがあります。
鍼灸治療は、自律神経のバランスを整える効果があり、これらの症状の改善にも繋がります。
リラックス効果を高めることで、副交感神経の働きを優位にし、心身のリラックスをもたらします。結果として、痛みや不調の悪循環を断ち切り、自然治癒力を高める効果が期待できます。
効果 | メカニズム |
筋肉の緊張緩和 | 鍼刺激による筋肉の弛緩作用 |
血行促進 | 血管拡張作用による血流改善 |
鎮痛効果 | エンドルフィン、セロトニンの分泌促進 |
自律神経調整効果 | 副交感神経の活性化 |
5. 首の椎間板ヘルニアに対する鍼灸治療の方法

首の椎間板ヘルニアの症状緩和には、鍼灸治療が効果的であると考えられています。鍼治療と灸治療、それぞれの概要と効果についてご説明します。
5.1 鍼治療
鍼治療は、髪の毛ほどの細い鍼を身体の特定のツボに刺入することで、痛みや痺れなどの症状を緩和する方法です。
首の椎間板ヘルニアの場合、首や肩、背中周辺のツボに鍼を刺入することで、筋肉の緊張を緩和し、血行を促進します。
また、痛みを伝える神経の働きを抑制する効果も期待できます。
5.1.1 鍼治療の種類
種類 | 特徴 |
置鍼 | 刺入した鍼を一定時間皮膚に留置する方法です。持続的な刺激を与えることで、より高い鎮痛効果が期待できます。 |
パルス鍼 | 鍼に微弱な電流を流す方法です。筋肉の緊張緩和や血行促進効果を高めることができます。 |
5.2 灸治療
灸治療は、もぐさを燃焼させて皮膚の表面から温熱刺激を与えることで、血行を促進し、筋肉の緊張を緩和する方法です。
首の椎間板ヘルニアの場合、首や肩、背中周辺のツボに施灸することで、痛みや痺れなどの症状を緩和します。また、温熱刺激によって免疫機能の向上も期待できます。
5.2.1 灸治療の種類
種類 | 特徴 |
直接灸 | 皮膚の上に直接もぐさを置いて燃焼させる方法です。温熱刺激が強く、即効性のある効果が期待できます。 |
間接灸 | 皮膚ともぐさの間に生姜やニンニクなどを挟んで燃焼させる方法です。直接灸よりも刺激が弱く、皮膚への負担が少ないのが特徴です。 |
温灸器 | もぐさを燃焼させた熱を温灸器に伝え、皮膚に温熱刺激を与える方法です。火を使わないため、安全に施術を受けることができます。 |
鍼灸治療は、身体への負担が少ない治療法であり、首の椎間板ヘルニアの症状緩和に効果的です。
ただし、症状や体質によっては適さない場合もありますので、施術を受ける際は鍼灸師に相談し適切な治療を受けるようにしてください。
6. 首の椎間板ヘルニアの予防法

首の椎間板ヘルニアは、一度発症すると再発のリスクも伴います。日頃から予防を意識することで、発症や再発のリスクを低減し、健康な首を維持することが大切です。
ここでは、首の椎間板ヘルニアの予防に効果的な方法を具体的にご紹介します。
6.1 正しい姿勢を保つ
長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用などで、猫背になりがちです。
猫背は首に負担をかけ、椎間板ヘルニアのリスクを高めます。正しい姿勢を意識することで、首への負担を軽減し、椎間板ヘルニアを予防できます。
具体的には、耳、肩、股関節が一直線上に並ぶように意識し、顎を引いて背筋を伸ばすことが重要です。
デスクワークを行う際は、椅子に深く腰掛け、モニターの位置を目の高さに合わせ、キーボードとマウスは体に近い位置に配置するなど、作業環境を整えることも大切です。
6.2 適度な運動
運動不足は、首や肩周りの筋肉を衰えさせ、椎間板への負担を増大させる原因となります。
適度な運動は、筋肉を強化し、血行を促進することで、首の健康維持に繋がります。
ウォーキングや水泳などの全身運動は、首への負担が少なく、効果的に筋肉を鍛えることができます。また、首周りのストレッチも、筋肉の柔軟性を高め、血行を促進する効果が期待できます。
激しい運動は逆効果となる場合があるので、無理のない範囲で行うことが重要です。
6.3 ストレッチ
首周りの筋肉の柔軟性を保つことは、椎間板への負担を軽減し、ヘルニアの予防に効果的です。
毎日継続してストレッチを行うことで、首の筋肉の緊張を和らげ、血行を促進し、柔軟性を維持することができます。
ストレッチの種類 | 方法 | 効果 |
首回し | 頭をゆっくりと大きく回します。左右両方行います。 | 首の筋肉全体の柔軟性を高めます。 |
側屈 | 頭を横に倒し、耳を肩に近づけるようにします。左右両方行います。 | 首の側面の筋肉を伸ばします。 |
屈曲・伸展 | 頭を前に倒し、顎を胸に近づけます。次に、頭を後ろに倒します。 | 首の前後の筋肉を伸ばします。 |
ストレッチを行う際は、急な動きや無理な姿勢は避け、痛みを感じない範囲でゆっくりと行うことが大切です。入浴後など、体が温まっている時に行うとより効果的です。
6.4 質の高い睡眠
睡眠不足や睡眠の質の低下は、自律神経のバランスを崩し、筋肉の緊張を高め、椎間板ヘルニアのリスクを高める可能性があります。
質の高い睡眠を確保することで、体の疲労を回復し、首への負担を軽減することができます。
適切な睡眠時間を確保することはもちろん、睡眠環境を整えることも重要です。寝室の温度や湿度を調整し、静かで暗い環境を作ることで、質の高い睡眠を得やすくなります。
自分に合った枕を選ぶことも、首への負担を軽減し、快適な睡眠を得るために重要です。
7. まとめ

首の椎間板ヘルニアは、加齢や姿勢不良、外傷などが原因で頸椎の椎間板が飛び出し、神経を圧迫することで痛みやしびれを引き起こします。
一般的な治療法には、薬物療法、牽引療法、理学療法などの保存療法と手術療法がありますが、鍼灸治療も効果が期待できます。鍼灸治療は、筋肉の緊張を緩和し血行を促進することで痛みを軽減するだけでなく、自律神経の調整にも作用します。
つらい症状でお悩みの方は、鍼灸治療も選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
正しい姿勢を保つ、適度な運動をする、ストレッチをする、質の高い睡眠をとるといった日常生活での予防も大切です。
何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。
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