椎間板ヘルニアを温めて改善!鍼灸を取り入れた効果的な方法と自宅ケア
- 鍼灸院 横浜文庫
- 9月30日
- 読了時間: 10分

つらい椎間板ヘルニアの痛み、温めることで和らげられることをご存知ですか?
本記事では、椎間板ヘルニアに温熱療法が効果的な理由や、自宅で簡単にできる温湿布、使い捨てカイロの活用方法などを詳しく解説します。
さらに、鍼灸との併用で期待できる相乗効果についてもご紹介します。椎間板ヘルニアの痛みを根本から改善するためのストレッチや生活習慣の見直しについても触れているので、ぜひ最後まで読んで、日々の生活に取り入れてみてください。
痛みの軽減だけでなく、再発予防にも役立つ情報が満載です。
1. 椎間板ヘルニアとは?

椎間板ヘルニアとは、背骨の骨と骨の間にあるクッションの役割を果たす椎間板の一部が飛び出して、神経を圧迫することで痛みやしびれなどの症状を引き起こす疾患です。
1.1 椎間板ヘルニアの症状
椎間板ヘルニアの症状は、飛び出した椎間板がどの神経を圧迫しているかによって様々です。代表的な症状としては、腰や背中の痛み、脚のしびれ、足の痛み、筋力低下などがあります。症状が進行すると、排尿・排便障害が起こる場合もありますので、注意が必要です。
症状 | 詳細 |
腰痛 | 動作によって悪化するズキズキとした痛みや、安静時にも鈍く続く痛みなど、痛みの種類は様々です。 |
坐骨神経痛 | お尻から太ももの裏、ふくらはぎ、足先にかけて、電気が走るような痛みやしびれが生じます。 |
下肢のしびれ | 足先や足の甲、ふくらはぎなどに、感覚が鈍くなる、チクチクする、ジンジンするなどのしびれが現れます。 |
筋力低下 | 足に力が入りにくくなることで、歩行が困難になったり、つまづいたりすることがあります。 |
排尿・排便障害 | 頻尿、尿失禁、便秘などの症状が現れることがあります。このような症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。 |
1.2 椎間板ヘルニアの原因
椎間板ヘルニアの主な原因は、加齢による椎間板の変性です。
椎間板は年齢を重ねるごとに水分が失われ、弾力性が低下していきます。
この状態では、ちょっとした動作や衝撃で椎間板が飛び出しやすくなります。
その他にも、遺伝的な要因、姿勢の悪さ、重いものを持ち上げるなどの動作、激しいスポーツなども原因として挙げられます。
日常生活における長時間のデスクワークや、同じ姿勢での作業なども、椎間板への負担を増大させ、ヘルニアのリスクを高める可能性があります。
2. 温めることで得られる椎間板ヘルニアへの効果
椎間板ヘルニアの痛みやしびれに悩まされている方にとって、温めることは症状緩和に効果的なアプローチとなる場合があります。
温熱療法は、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげることで、痛みを軽減する効果が期待できます。
本項では、温めることによる椎間板ヘルニアへの効果や、そのメカニズム、注意点について詳しく解説します。
2.1 温熱療法が有効な理由
温熱療法が椎間板ヘルニアに有効な理由として、主に以下の3つのメカニズムが考えられます。
効果 | メカニズム |
血行促進 | 温めることで血管が拡張し、血流が良くなります。これにより、損傷した組織への酸素や栄養の供給が促進され、修復が早まります。また、老廃物の排出もスムーズになり、炎症の抑制にも繋がります。 |
筋肉の緩和 | 温熱は筋肉の緊張を和らげ、柔軟性を高めます。椎間板ヘルニアでは、周囲の筋肉が硬くなって痛みやしびれを悪化させることがあるため、筋肉の緩和は症状改善に重要です。 |
鎮痛効果 | 温めることで、痛みの感覚を伝える神経の働きが抑制され、鎮痛効果が得られます。これは、温熱刺激によってエンドルフィンなどの鎮痛物質が分泌されるためと考えられています。 |
これらの相乗効果により、椎間板ヘルニアによる痛みやしびれが軽減されるのです。
2.2 温める上での注意点
温めることは効果的ですが、間違った方法で行うと症状を悪化させる可能性もあるため、注意が必要です。
・低温やけどに注意が必要です。特に、高齢者や皮膚感覚が鈍くなっている方は、温度設定
や温める時間に注意しましょう。また、同じ場所に長時間温め続けるのも避けましょう。
・温熱療法だけで椎間板ヘルニアが完治するわけではありません。温熱療法はあくまで対症療法であり、根本的な治療を行うことが大切です。他の治療法と併用しながら、症状の改善を目指しましょう。
3. 鍼灸が椎間板ヘルニアにもたらす効果

鍼灸は、東洋医学に基づいた伝統的な治療法であり、椎間板ヘルニアの症状緩和にも効果が期待できます。
鍼やお灸を用いることで、痛みや痺れなどの症状を軽減し、日常生活の質の向上に繋がることがあります。
3.1 鍼灸による疼痛緩和のメカニズム
鍼灸治療が椎間板ヘルニアの疼痛緩和にどのように作用するのか、そのメカニズムについてご説明します。
3.1.1 鎮痛効果
鍼刺激は、エンドルフィンやエンケファリンなどの鎮痛物質の分泌を促進すると考えられています。
これらの物質は、モルヒネの数倍もの鎮痛作用を持つと言われており、痛みを和らげる効果が期待できます。
また、鍼刺激は、セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の分泌にも影響を与え、痛みの伝達を抑制する効果も期待できます。さらに、トリガーポイントと呼ばれる筋肉の硬結に鍼を刺入することで、筋肉の緊張を緩和し、血行を促進することで、痛みを軽減する効果も期待できます。
3.1.2 血行促進効果
鍼やお灸の刺激は、患部の血行を促進する効果があります。
血行が促進されることで、筋肉や神経への酸素供給が向上し、老廃物の排出も促進されます。これにより、炎症が抑えられ、疼痛緩和に繋がると考えられています。
3.1.3 自律神経調整効果
椎間板ヘルニアの痛みは、自律神経の乱れにも繋がることがあります。
鍼灸治療は、自律神経のバランスを整える効果も期待できます。
リラックス効果を高める副交感神経の働きを優位にすることで、痛みやストレスを軽減し、心身のリラックスをもたらすと考えられています。
効果 | メカニズム |
鎮痛効果 | エンドルフィン、エンケファリンなどの鎮痛物質の分泌促進、セロトニン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質への影響、トリガーポイントへの刺激による筋肉の緊張緩和と血行促進 |
血行促進効果 | 患部の血行促進による酸素供給の向上と老廃物の排出促進 |
自律神経調整効果 | 副交感神経の働きを優位にすることによるリラックス効果の向上 |
鍼灸治療は、これらのメカニズムを通して椎間板ヘルニアの症状緩和に効果を発揮すると考えられています。
しかし、鍼灸治療の効果には個人差があるため、施術を受ける際には、経験豊富な鍼灸師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。
4. 椎間板ヘルニアを温めて改善するための具体的な方法

椎間板ヘルニアの痛みを和らげるには、温めることが効果的です。
ここでは、自宅でできる温熱療法と、鍼灸治療院での施術についてご紹介します。
4.1 自宅でできる温熱療法
自宅で手軽に行える温熱療法は、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。
熱すぎるお湯や温度の高いカイロの使用は、低温やけどの危険性があるので避けましょう。
4.1.1 蒸しタオルを使った温湿布
蒸しタオルは、手軽に温熱療法を行う方法です。
濡らしたタオルを電子レンジで温めるか、熱めのお湯に浸して絞り、患部に当てます。
やけどをしないように、タオルの温度には十分注意してください。
保温効果を高めるために、乾いたタオルで包むと良いでしょう。10~15分程度を目安に行います。
4.1.2 使い捨てカイロの活用方法
使い捨てカイロは、手軽で持続的な温熱効果が得られます。
低温やけどを防ぐため、直接肌に当てずに、衣類の上から使用しましょう。
また、就寝時は低温やけどのリスクが高まるため、使用を控えましょう。
カイロの温度や持続時間にも注意し、適切な使用方法を守ってください。
4.2 鍼灸治療院での温熱療法と鍼灸施術の組み合わせ
鍼灸治療院では、自宅で行う温熱療法よりも専門的な温熱療法を受けることができます。
鍼灸施術と組み合わせることで、より高い効果が期待できます。温熱療法の種類や施術内容は、治療院によって異なります。
温熱療法の種類 | 概要 | 期待できる効果 |
遠赤外線療法 | 遠赤外線によって身体の深部まで温めます。 | 血行促進、筋肉の緩和、疼痛緩和 |
灸 | もぐさを燃焼させて、ツボに熱刺激を与えます。 | 血行促進、鎮痛効果、免疫力向上 |
温熱療法と鍼灸施術を組み合わせることで、相乗効果が期待できます。
鍼灸師は、患者さんの状態に合わせて適切な施術方法を選択してくれます。
治療を受ける際には、症状や治療方針について、鍼灸師とよく相談することが大切です。
5. 椎間板ヘルニア改善のための自宅ケア

椎間板ヘルニアの症状緩和には、温熱療法や鍼灸治療と並行して、自宅でのケアも重要です。
日々の生活習慣の見直しや、適切なストレッチを行うことで、症状の改善を促し、再発を予防することができます。
5.1 ストレッチ
椎間板ヘルニアの症状が出ている時は、痛みを悪化させないよう、無理のない範囲でストレッチを行いましょう。
入浴後など、体が温まっている時に行うのが効果的です。痛みを感じる場合は、すぐに中止してください。
5.1.1 おすすめのストレッチ
ストレッチ名 | 効果 | 方法 |
膝抱えストレッチ | 腰の筋肉をリラックスさせ、痛みを和らげる | 仰向けに寝て、両膝を胸に引き寄せます。数秒間その姿勢をキープします。 |
お尻伸ばしストレッチ | お尻の筋肉の緊張をほぐし、腰への負担を軽減する | 仰向けに寝て、片方の足を反対側の太ももに乗せます。そのまま数秒間キープします。反対側も同様に行います。 |
腰回しストレッチ | 腰の柔軟性を高め、血行を促進する | 両足を肩幅に開いて立ち、両手を腰に当てます。ゆっくりと腰を回します。左右両方行います。 |
これらのストレッチは、腰への負担を軽減し、柔軟性を高めるのに役立ちます。ご自身の症状に合わせて、無理なく続けられるストレッチを選びましょう。
5.2 生活習慣の改善
日常生活における姿勢や動作は、椎間板ヘルニアの症状に大きく影響します。
正しい姿勢を意識し、腰への負担を軽減することで、症状の悪化を防ぎ、改善を促すことができます。
5.2.1 姿勢
立っている時:背筋を伸ばし、お腹に力を入れるように意識します。猫背にならないように注意しましょう。
座っている時:浅く腰掛けず、深く椅子に腰掛け、背もたれに寄りかかるようにします。足を組むのは避けましょう。
寝ている時:仰向けで寝る場合は、膝の下にクッションを敷くと、腰への負担を軽減できます。横向きで寝る場合は、膝を軽く曲げましょう。うつ伏せは避けましょう。
5.2.2 動作
物を持ち上げる時:膝を曲げて、腰を落とすようにして持ち上げます。腰をひねったり、急に持ち上げたりするのは避けましょう。
長時間の運転:こまめに休憩を取り、軽いストレッチを行うようにしましょう。シートにクッションを敷くのも効果的です。
重い物を運ぶ時:リュックサックなど、両肩に均等に重さがかかるようにして持ち運びましょう。
これらの生活習慣の改善は、椎間板ヘルニアの予防にも繋がるため、症状が出ていない方も意識して実践してみてください。
6. まとめ

椎間板ヘルニアの痛みを和らげ、改善を目指すには、温熱療法と鍼灸の併用が効果的である可能性があります。
温めることで血行が促進され、筋肉の緊張が緩和されることで、痛みの軽減につながることが期待できます。
自宅では蒸しタオルや使い捨てカイロなどを用いた温熱療法を行うことができます。
さらに、鍼灸治療院では、専門家による鍼灸施術と温熱療法を組み合わせたより専門的なケアを受けることができます。
自宅でのストレッチや生活習慣の改善も併せて行うことで、より効果的な改善を目指しましょう。
ただし、症状によっては温めることが適さない場合もありますので、不安な場合は医師や鍼灸師に相談することが大切です。
何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。




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