五十肩が両肩に？！その意外な原因と鍼灸治療の効果を徹底解説

「五十肩って片方だけじゃないの？両肩になったらどうしよう…」と不安を抱えていませんか？ 実は、五十肩は両肩に発症することもあります。しかも、片方の五十肩を放置することで、もう片方の肩にも負担がかかり、五十肩を発症するリスクが高まるのです。

この記事では、五十肩が両肩に起こる意外な原因を分かりやすく解説します。

加齢や生活習慣、ホルモンバランス、肩への負担など、様々な要因が複雑に絡み合って発症する五十肩。そのメカニズムを理解することで、効果的な対策を立てることができます。

さらに、鍼灸治療が五十肩の痛みや炎症に効果的な理由、その具体的な施術方法、自宅でできるストレッチや運動、日常生活での注意点、そして効果的な予防策まで、五十肩に関する情報を網羅的にご紹介します。

この記事を読めば、五十肩の不安を解消し、健康な肩を取り戻すための第一歩を踏み出せるはずです。

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1. 五十肩とは何か

五十肩とは、正式名称を肩関節周囲炎といい、肩関節とその周辺組織に炎症や痛み、運動制限が生じる状態を指します。４０代から５０代に多く発症することから「五十肩」と呼ばれていますが、実際には３０代や６０代以降でも発症する可能性があります。明確な原因が特定できない場合も多く、肩の痛みや動かしにくさといった症状が現れるため、日常生活に支障をきたすこともあります。

1.1 五十肩の症状

五十肩の症状は、大きく分けて３つの時期に分けられます。それぞれの時期によって症状の特徴が異なるため、適切な対処が必要です。

時期	症状	期間
急性期	安静時にもズキズキとした強い痛みがあり、夜間や就寝時に痛みが悪化することが多いです。肩を動かすと激痛が走り、腕を上げたり、後ろに回したりすることが困難になります。	数週間～数ヶ月
慢性期	強い痛みは軽減しますが、肩の動きが制限された状態が続きます。腕を上げにくかったり、肩を回す際に引っかかりを感じたりします。痛みは動作時や特定の姿勢をとった時に出現し、夜間にも痛むことがあります。	数ヶ月～半年
回復期	徐々に肩の動きが改善し、痛みも軽減していきます。日常生活における支障も少なくなり、ほとんどの場合、自然に回復に向かいます。しかし、適切なケアを行わないと、肩の可動域制限が残ってしまう可能性もあります。	数ヶ月～１年以上

1.2 五十肩になりやすい人の特徴

五十肩は誰にでも起こりうるものですが、特に以下のような特徴を持つ人は発症リスクが高くなると言われています。

●      ４０代～５０代の人：加齢に伴う肩関節周囲の組織の老化が原因の一つと考えられています。

●      女性：男性よりも女性の方が発症率が高い傾向にあります。ホルモンバランスの変化が影響している可能性も指摘されています。

●      デスクワーク中心の人：長時間同じ姿勢での作業は、肩関節周囲の筋肉の緊張や血行不良を招き、五十肩のリスクを高めます。

●      糖尿病、高血圧、甲状腺機能低下症などの持病がある人：これらの病気は、五十肩の発症リスクを高める因子となる可能性があります。

●      精神的なストレスを抱えている人：ストレスは自律神経のバランスを崩し、筋肉の緊張を高めるため、五十肩の悪化要因となる可能性があります。

これらの特徴に当てはまる方は、日頃から肩のケアを意識し、五十肩の予防に努めることが大切です。

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2. なぜ五十肩は両肩になるのか

五十肩は、片方の肩に発症することが多いですが、両肩に同時に、あるいは片方の肩が治った後に反対側の肩にも発症することがあります。なぜこのようなことが起こるのでしょうか。両肩五十肩の謎に迫り、その原因やメカニズム、そして片側だけの五十肩を放置した場合のリスクについて詳しく解説します。

2.1 両肩に五十肩が起こる原因

五十肩は、加齢や生活習慣、姿勢、ホルモンバランスの乱れ、肩への負担などが複雑に絡み合って発症すると考えられています。これらの要因は身体全体に影響を与えるため、片方の肩に五十肩が発症しやすい状態であれば、反対側の肩も同様に発症しやすい状態にある可能性が高いのです。

例えば、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けている人は、猫背になりやすく、肩甲骨の動きが制限され、血行不良を起こしやすくなります。この状態は、左右両方の肩に共通して起こり得るため、五十肩のリスクを高める要因となります。

要因	詳細
加齢による変化	年齢を重ねるにつれて、肩関節周囲の組織の柔軟性が低下し、炎症が起こりやすくなります。
生活習慣の影響	長時間のデスクワークや、スマホの使いすぎなど、同じ姿勢を長時間続けることで、肩への負担が増加し、五十肩のリスクを高めます。
ホルモンバランスの乱れ	更年期を迎える女性は、ホルモンバランスの乱れによって、肩関節周囲の組織が炎症を起こしやすくなり、五十肩を発症しやすくなります。
肩関節の損傷	転倒などによる肩関節の損傷や、野球やバレーボールなどのスポーツによる肩への負担が、五十肩の原因となることがあります。
運動不足	運動不足によって肩関節周囲の筋肉が衰えると、肩関節の安定性が低下し、五十肩のリスクが高まります。

2.2 片方の五十肩を放置するとどうなるか

片方の五十肩を放置すると、痛みが慢性化し、肩関節の可動域が制限されたままになる可能性があります。さらに、無意識のうちに痛みのない方の肩に負担をかけるようになり、反対側の肩にも五十肩を発症するリスクが高まります。

また、日常生活動作にも支障をきたすようになり、着替えや髪を洗う、高いところの物を取るといった動作が困難になることもあります。日常生活に支障が出始めたら、できるだけ早く適切な治療を受けることが大切です。

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3. 五十肩の原因

五十肩は、肩関節周囲の組織の炎症や癒着が原因で起こる、肩の痛みや運動制限を伴う症状です。その原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていると考えられています。加齢による変化や生活習慣の影響、ホルモンバランスの乱れ、肩関節の損傷、運動不足などが主な原因として挙げられます。

3.1 加齢による変化

加齢に伴い、肩関節周囲の組織は徐々に変化していきます。腱や靭帯、関節包などの組織が硬くなり、柔軟性を失うことで、肩の動きが悪くなり、痛みを生じやすくなります。また、関節軟骨のすり減りや、骨棘の形成なども、五十肩の発生に影響を与えると考えられています。

特に４０代以降は、これらの変化が顕著になり、五十肩を発症するリスクが高まります。加齢による変化は自然な現象ですが、適切なケアを行うことで、症状の進行を遅らせたり、予防したりすることが可能です。

3.2 生活習慣の影響

日常生活における特定の動作や姿勢、習慣も、五十肩の原因となることがあります。例えば、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けることや、猫背などの悪い姿勢は、肩関節周囲の筋肉の緊張や血行不良を引き起こし、五十肩のリスクを高めます。

また、冷え性も、肩関節周囲の血行を悪化させ、炎症を促進する要因となる可能性があります。さらに、喫煙習慣も、血行不良を招き、組織の修復を遅らせるため、五十肩の症状悪化につながることがあります。

3.3 ホルモンバランスの乱れ

更年期を迎える女性は、エストロゲンの分泌量が減少することで、肩関節周囲の組織が弱くなり、炎症を起こしやすくなります。ホルモンバランスの乱れは、更年期障害の代表的な症状の一つであるホットフラッシュや、不眠、イライラなどにも関連しており、これらの症状が五十肩の痛みを増強させる可能性も指摘されています。そのため、更年期を迎える女性は、ホルモンバランスの変化に注意し、適切な対策を講じることが重要です。

3.4 肩関節の損傷

過去に肩を脱臼したり、骨折したり、腱板断裂などの損傷を経験したことがある場合、肩関節の不安定性が増し、五十肩を発症しやすくなります。損傷によって肩関節周囲の組織がダメージを受け、炎症や癒着が生じやすくなるためです。

また、スポーツなどで肩に繰り返し負荷がかかることも、肩関節の損傷リスクを高め、五十肩の原因となる可能性があります。特に野球、テニス、バレーボールなどのオーバーヘッドスポーツは、肩関節への負担が大きいため、注意が必要です。

3.5 運動不足

運動不足は、肩関節周囲の筋肉の衰えや柔軟性の低下につながり、五十肩のリスクを高めます。肩甲骨周囲の筋肉（僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋など）が弱くなると、肩関節の安定性が低下し、肩を動かす際に負担がかかりやすくなります。

また、筋肉の柔軟性が低下すると、肩関節の可動域が狭くなり、痛みや運動制限が生じやすくなります。適度な運動は、肩関節周囲の筋肉を強化し、柔軟性を維持するために重要です。

筋肉名	作用
僧帽筋	肩甲骨の挙上、下制、内転、上方回旋
肩甲挙筋	肩甲骨の挙上、下方回旋
菱形筋	肩甲骨の内転、挙上、下方回旋

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4. 五十肩の鍼灸治療

五十肩の痛みや可動域制限に悩まされている方にとって、鍼灸治療は効果的な選択肢の一つです。古くから伝わる東洋医学に基づいた鍼灸治療は、肩関節周囲の筋肉や組織に直接アプローチすることで、症状の改善を促します。

具体的には、痛みを緩和し、関節の動きをスムーズにする効果が期待できます。西洋医学的な治療とは異なるアプローチで、五十肩の根本的な改善を目指す方にとって、鍼灸治療は魅力的な選択肢となるでしょう。

4.1 鍼灸治療が五十肩に効果的な理由

鍼灸治療は、肩関節周囲の筋肉の緊張を和らげ、血行を促進することで、五十肩の症状改善に効果を発揮します。鍼刺激によって、痛みを伝える神経経路が抑制され、鎮痛効果が得られると考えられています。

また、血行促進によって、炎症物質や老廃物が除去され、組織の修復が促されます。さらに、鍼灸治療は自律神経のバランスを整える効果も期待できるため、痛みやストレスによる不調にも有効です。

4.2 鍼灸治療による痛みの緩和メカニズム

鍼灸治療による痛みの緩和は、主にゲートコントロールセオリーというメカニズムによって説明されます。鍼刺激によって、触覚などの感覚神経が刺激され、その情報が脊髄に伝わります。すると、脊髄において痛みの信号がブロックされ、脳に痛み情報が伝わりにくくなるため、鎮痛効果が得られます。

また、鍼刺激はエンドルフィンなどの鎮痛物質の分泌を促進するとも考えられており、多角的なメカニズムで痛みを緩和すると考えられています。

4.3 五十肩に対する鍼灸治療の具体的な方法

五十肩に対する鍼灸治療では、肩関節周囲のツボだけでなく、全身の状態を診て治療を行います。肩甲骨周囲、上腕、頸部などの筋肉に鍼を刺入し、筋肉の緊張を緩和します。また、痛みや炎症が強い場合には、患部に直接鍼を刺すこともあります。さらに、お灸を用いて温熱刺激を加えることで、血行促進や鎮痛効果を高めることもあります。

施術方法	効果	施術部位の例
鍼治療	筋肉の緊張緩和、血行促進、鎮痛効果	肩井、天宗、秉風、曲池、外関など
お灸治療	温熱効果による血行促進、鎮痛効果、リラックス効果	肩井、天宗、阿是穴など

五十肩の鍼灸治療は、症状や体質に合わせて、鍼の種類、刺入する深さ、刺激量、お灸の種類や温度などを調整します。治療頻度は、症状の程度にもよりますが、一般的には週に１～２回程度が目安となります。治療期間は個人差がありますが、数週間から数ヶ月かかる場合もあります。鍼灸師は、患者さんの状態を丁寧に確認しながら、最適な治療プランを提案します。

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5. 五十肩のセルフケア

五十肩の痛みや可動域制限を少しでも和らげるために、自宅でできるセルフケアは非常に重要です。無理のない範囲で行うことが大切で、痛みが増強する場合はすぐに中止しましょう。

5.1 自宅でできるストレッチや運動

五十肩のセルフケアで最も効果的なのは、肩関節周囲の筋肉を柔らかく保つためのストレッチです。下記にいくつかご紹介します。

5.1.1 振り子運動

身体を前かがみにし、痛みのない方の腕で机などを支えにします。そして、患側の腕を振り子のように前後に、左右に、そして円を描くようにゆっくりと動かします。遠心力を使って腕を動かすことがポイントで、決して無理に動かさないようにしましょう。

5.1.2 タオルを使ったストレッチ

タオルの両端を持ち、背中に回し、上下に動かします。肩甲骨を動かすイメージで、ゆっくりと行うのが効果的です。痛みのない範囲で、徐々に可動域を広げていきましょう。

ストレッチ	方法	注意点
壁登り運動	壁に手をつけ、指先を少しずつ上に登らせていきます。	肩に痛みを感じない範囲で行いましょう。
肘回し運動	肘を曲げ、肩の高さで前後に円を描くように回します。	無理に大きく回そうとせず、小さな円から始めましょう。
肩甲骨寄せ運動	両手を後ろに回し、肩甲骨を中央に寄せるように意識します。	胸を張るように行うと効果的です。

5.1.3 温熱療法

温めることで血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎます。蒸しタオルや温湿布などを患部に当てて、１０～１５分程度温めましょう。入浴も効果的ですが、湯船につかる際は肩まで浸からず、半身浴にするのがおすすめです。

5.2 日常生活での注意点

五十肩の症状を悪化させないためには、日常生活での注意点も大切です。重い荷物を持つ、高いところに手を伸ばす、長時間同じ姿勢を続けるなどは避けましょう。

また、冷えは五十肩の大敵です。夏場でも冷房の風が直接肩に当たらないように注意し、冬場はマフラーやストールなどで肩周りを温めるように心がけましょう。正しい姿勢を保つことも重要です。猫背は肩甲骨の動きを悪くし、五十肩の悪化につながる可能性があります。日頃から背筋を伸ばし、良い姿勢を意識しましょう。

これらのセルフケアは、五十肩の痛みを和らげ、可動域を広げるのに役立ちます。しかし、セルフケアだけで完治を目指すのではなく、専門家による適切な治療と併用することが大切です。症状が改善しない場合や悪化する場合は、自己判断せずに早めに専門機関に相談しましょう。

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6. 五十肩の予防方法

五十肩は、放置すると日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。だからこそ、日頃から予防を意識することが大切です。五十肩になりやすい人となりにくい人の違いはどこにあるのでしょうか？実は、毎日のちょっとした心がけで、五十肩のリスクを大きく減らすことができるのです。

6.1 五十肩を予防する効果的な方法

五十肩の予防には、肩関節の柔軟性を維持し、血行を促進することが重要です。具体的な方法としては、以下の３つが挙げられます。

6.1.1 1. 適度な運動

肩甲骨や肩関節周りの筋肉を動かすことで、柔軟性を維持し、五十肩を予防することができます。激しい運動は必要ありません。ウォーキングや軽いストレッチなど、無理なく続けられる運動を選びましょう。

運動の種類	効果	注意点
ラジオ体操	全身の血行促進、肩関節の可動域向上	正しいフォームで行う
肩甲骨回し	肩甲骨周りの筋肉の柔軟性向上	無理なく行う
ストレッチ	肩や腕の筋肉の柔軟性向上	痛みを感じない範囲で行う
水泳	肩関節への負担が少ない有酸素運動	水温に注意

6.1.2 2. 血行促進

血行不良は、肩関節の炎症を悪化させる要因の一つです。冷えを防ぎ、血行を促進することで、五十肩の予防につながります。

方法	効果
温湿布や入浴	肩周りの血行促進、筋肉の緩和
マッサージ	血行促進、筋肉の緊張緩和
バランスの取れた食事	体全体の健康維持、血行促進

6.1.3 3. 正しい姿勢の維持

猫背などの悪い姿勢は、肩関節に負担をかけ、五十肩のリスクを高めます。日頃から正しい姿勢を意識することで、肩への負担を軽減し、五十肩を予防することができます。 デスクワークの際は、こまめに休憩を取り、軽いストレッチを行うようにしましょう。また、自分に合った高さの机や椅子を選ぶことも重要です。

これらの予防策は、五十肩だけでなく、他の肩のトラブルの予防にも効果的です。日々の生活に取り入れ、健康な肩を維持しましょう。

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7. まとめ

五十肩は、中高年になると多くの人が経験する肩関節の痛みや運動制限を伴う症状です。本記事では、五十肩が両肩に発生するメカニズムやその原因、そして鍼灸治療の効果について解説しました。五十肩は加齢や生活習慣、ホルモンバランスの乱れ、肩関節の損傷、運動不足などが原因で発症し、放置すると両肩に広がる可能性があります。片方の肩に五十肩を発症した場合、もう片方の肩をかばう動作が増えるため、負担がかかりやすくなるためです。

また、日常生活での姿勢や体の使い方の癖なども両肩発症に繋がることがあります。

鍼灸治療は、五十肩の痛みを緩和し、肩関節の動きを改善する効果が期待できます。鍼やお灸の刺激によって血行が促進され、筋肉の緊張が緩和されることで、痛みの軽減や可動域の改善に繋がります。

さらに、自宅でできるストレッチや運動、日常生活での注意点を守ることで、五十肩の予防や症状の悪化を防ぐことができます。

五十肩でお悩みの方は、鍼灸治療を試してみるのも一つの選択肢と言えるでしょう。肩の痛みや動きの制限を感じたら、早めに適切なケアを行い、健康な肩を維持しましょう。何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。