坐骨神経痛に効くツボの種類と効果|鍼灸治療との関係を徹底解説
- 鍼灸院 横浜文庫
- 10月28日
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坐骨神経痛の痛みやしびれに悩まされていませんか?
このページでは、坐骨神経痛の原因や症状を分かりやすく解説し、効果的なツボの種類を環跳、殷門、承扶、委中、崑崙の5つに絞ってご紹介します。
それぞれのツボの位置や刺激方法はもちろん、ツボ押し以外のセルフケアやストレッチ、日常生活での注意点まで網羅しています。
坐骨神経痛を根本から理解し、ツボ押しでつらい症状を和らげたい方、鍼灸治療との関係性を知りたい方は必見です。
この記事を読めば、ご自身に合った坐骨神経痛対策を見つけられるはずです。
1. 坐骨神経痛とは?

坐骨神経痛とは、腰から足にかけて伸びている坐骨神経が圧迫されたり、刺激されたりすることで起こる痛みやしびれなどの症状のことです。
病名ではなく、様々な原因で起こる症状の総称であることを覚えておきましょう。
1.1 坐骨神経痛の症状
坐骨神経痛の主な症状は、お尻から太ももの裏、ふくらはぎ、足先にかけての痛みやしびれ、違和感などです。
症状の程度は人それぞれで、軽い痛みから、歩くのも困難なほどの激痛まで様々です。
また、痛みやしびれの他に、感覚が鈍くなったり、逆に過敏になったり、力が入りにくくなるといった症状が現れることもあります。
症状 | 詳細 |
痛み | 鋭い痛み、鈍い痛み、電気が走るような痛みなど、様々な種類の痛みが現れます。 |
しびれ | ピリピリとしたしびれ、ジンジンとしたしびれなど、様々な種類のしびれが現れます。 |
感覚異常 | 感覚が鈍くなったり、過敏になったりすることがあります。 |
筋力低下 | 足に力が入りにくくなり、歩行が困難になることがあります。 |
これらの症状は、同じ坐骨神経痛でも、原因や神経の圧迫されている部位によって異なります。
片方の足だけに症状が現れる場合が多いですが、両方の足に症状が現れる場合もあります。
1.2 坐骨神経痛の原因
坐骨神経痛の原因は様々ですが、最も多いのは腰椎椎間板ヘルニアです。
椎間板の一部が飛び出して坐骨神経を圧迫することで、痛みやしびれが生じます。
その他にも、腰部脊柱管狭窄症、梨状筋症候群、脊椎すべり症、妊娠など、様々な原因が考えられます。
加齢による骨や筋肉の衰えも坐骨神経痛の要因の一つです。
また、長時間のデスクワークや、重いものを持ち上げるなどの姿勢や動作も、坐骨神経痛を引き起こす原因となることがあります。
原因 | 説明 |
腰椎椎間板ヘルニア | 椎間板の一部が飛び出し、坐骨神経を圧迫することで痛みやしびれが生じます。 |
腰部脊柱管狭窄症 | 脊柱管が狭くなり、坐骨神経が圧迫されることで痛みやしびれが生じます。 |
梨状筋症候群 | お尻の深部にある梨状筋が坐骨神経を圧迫することで痛みやしびれが生じます。 |
脊椎すべり症 | 腰椎の一部が前方にずれることで、坐骨神経を圧迫し痛みやしびれが生じます。 |
妊娠 | 大きくなった子宮が坐骨神経を圧迫することで痛みやしびれが生じます。 |
2. 坐骨神経痛に効果的なツボの種類

坐骨神経痛の痛みを和らげるために、効果的なツボがいくつか存在します。
ここでは代表的なツボを5つご紹介します。これらのツボは、ご自身で刺激することもできますし、鍼灸治療で専門的に施術してもらうことも可能です。
2.1 環跳(かんちょう)
環跳は、お尻のやや外側、腰骨の上端と太ももの骨の出っ張りを結んだ線の中央よりやや外側に位置します。立った状態で片足を少し前に出し、体重をかけるとへこむ部分です。
2.2 殷門(いんもん)
殷門は、太ももの裏側、お尻の折り目から膝の裏までの中央よりやや上、膝を曲げた時にできるシワの上に位置します。
2.3 承扶(しょうふ)
承扶は、お尻の中央、お尻の割れ目のちょうど真ん中に位置します。
2.4 委中(いちゅう)
委中は、膝の裏側、膝を曲げた時にできる横ジワのちょうど真ん中に位置します。
2.5 崑崙(こんろん)
崑崙は、外くるぶしとアキレス腱の間の少しへこんだ部分に位置します。
3. それぞれのツボの効果と刺激方法

それぞれのツボの効果と刺激方法について詳しく説明します。
ツボ押しは、痛みを感じない程度の強さで、ゆっくりと押すことが大切です。呼吸を止めずに、リラックスした状態で行いましょう。
3.1 環跳の効果と刺激方法
環跳は、坐骨神経痛の痛みの緩和、腰痛、股関節痛に効果があるとされています。親指の腹を使って、3~5秒かけてゆっくりと押します。これを数回繰り返します。
3.2 殷門の効果と刺激方法
殷門は、太ももの裏側の痛みや痺れ、坐骨神経痛に効果があるとされています。
中指または親指の腹を使って、3~5秒かけてゆっくりと押します。これを数回繰り返します。
3.3 承扶の効果と刺激方法
承扶は、坐骨神経痛、腰痛、股関節痛、お尻の痛みに効果があるとされています。両手の親指を重ねて、3~5秒かけてゆっくりと押します。これを数回繰り返します。
3.4 委中 効果と刺激方法
委中は、坐骨神経痛、膝の痛み、腰痛、むくみに効果があるとされています。
両手の親指を重ねて、3~5秒かけてゆっくりと押します。これを数回繰り返します。
また、お風呂で温めながらマッサージするのも効果的です。
3.5 崑崙の効果と刺激方法
崑崙は、坐骨神経痛、足首の痛み、かかとの痛みに効果があるとされています。親指の腹を使って、3~5秒かけてゆっくりと押します。これを数回繰り返します。
ツボ | 位置 | 効果 |
環跳 | 腰骨の上端と太ももの骨の出っ張りを結んだ線の中央よりやや外側 | 坐骨神経痛、腰痛、股関節痛 |
殷門 | 太ももの裏側、膝の裏と坐骨結節の中間点 | 坐骨神経痛、太ももの痛み |
承扶 | 臀部の割れ目の真ん中 | 坐骨神経痛、腰痛、股関節痛 |
委中 | 膝窩横紋の中央 | 坐骨神経痛、膝痛、腰痛 |
崑崙 | 外くるぶしとアキレス腱の間 | 坐骨神経痛、足首の痛み |
4. それぞれのツボの効果と刺激方法

坐骨神経痛に効果的なツボを刺激することで、痛みや痺れの緩和を目指します。
それぞれのツボの効果と刺激方法を詳しく見ていきましょう。
4.1 環跳(かんちょう)
環跳は、お尻のやや窪んだ部分に位置するツボです。坐骨神経痛の痛みやしびれを和らげる効果があるとされています。
4.1.1 環跳の刺激方法
仰向けに寝て、膝を曲げます。親指でお尻の筋肉の奥深くにある環跳をゆっくりと押します。痛みを感じない程度の強さで、3~5秒かけて押してください。これを数回繰り返します。
4.2 殷門(いんもん)
殷門は、太ももの裏側、膝裏の上あたりに位置するツボです。坐骨神経痛による太ももの痛みや痺れに効果があるとされています。
4.2.1 殷門の刺激方法
椅子に座るか、床に足を伸ばして座ります。親指を使って殷門をゆっくりと押します。痛みを感じない程度の強さで、3~5秒かけて押してください。これを数回繰り返します。
4.3 承扶(しょうふ)
承扶は、お尻の真ん中にある割れ目のすぐ上に位置するツボです。坐骨神経痛によるお尻の痛みや痺れ、足の冷えなどに効果があるとされています。
4.3.1 承扶の刺激方法
うつ伏せに寝るか、椅子に座ります。親指でお尻の中央にある承扶をゆっくりと押します。痛みを感じない程度の強さで、3~5秒かけて押してください。これを数回繰り返します。
4.4 委中(いちゅう)
委中は、膝裏の中央にあるツボです。
坐骨神経痛による膝裏の痛みや腫れ、足の痺れなどに効果があるとされています。
4.4.1 委中の刺激方法
椅子に座るか、床に足を伸ばして座ります。
親指で膝裏の中央にある委中をゆっくりと押します。痛みを感じない程度の強さで、3~5秒かけて押してください。これを数回繰り返します。
4.5 崑崙(こんろん)
崑崙は、外くるぶしとアキレス腱の間にあるツボです。
坐骨神経痛による足首や足の痛み、痺れなどに効果があるとされています。
4.5.1 崑崙の刺激方法
椅子に座るか、床に足を伸ばして座ります。
親指で外くるぶしとアキレス腱の間にある崑崙をゆっくりと押します。痛みを感じない程度の強さで、3~5秒かけて押してください。これを数回繰り返します。
これらのツボ押しは、坐骨神経痛の症状緩和を目的としたセルフケアの一環です。
症状が重い場合や、ツボ押しで改善が見られない場合は、専門家にご相談ください。
ツボ | 位置 | 効果 |
環跳 | お尻のやや窪んだ部分 | 坐骨神経痛の痛みやしびれの緩和 |
殷門 | 太ももの裏側、膝裏の上あたり | 太ももの痛みやしびれ |
承扶 | お尻の真ん中にある割れ目のすぐ上 | お尻の痛みやしびれ、足の冷え |
委中 | 膝裏の中央 | 膝裏の痛みや腫れ、足の痺れ |
崑崙 | 外くるぶしとアキレス腱の間 | 足首や足の痛み、痺れ |
上記は一般的なツボの位置と効果であり、全ての人に当てはまるわけではありません。
ツボ押しを行う際は、ご自身の体調に合わせて無理のない範囲で行うようにしてください。
5. 鍼灸治療と坐骨神経痛の関係

坐骨神経痛の痛みやしびれに悩まされている方の中には、鍼灸治療に興味を持っている方もいるのではないでしょうか。
この章では、鍼灸治療が坐骨神経痛にどのようにアプローチするのか、そのメカニズムや期待できる効果について解説します。
5.1 鍼灸治療による坐骨神経痛へのアプローチ
鍼灸治療は、東洋医学に基づいた伝統的な治療法です。
身体に鍼を刺したり、もぐさを燃やして温熱刺激を与えたりすることで、気の流れや血行を促進し、身体の自然治癒力を高めることを目的としています。
坐骨神経痛に対しては、主に以下の3つのアプローチで症状の改善を目指します。
アプローチ | メカニズム | 期待できる効果 |
筋肉の緊張緩和 | トリガーポイントと呼ばれる筋肉の硬結部位に鍼を刺すことで、筋肉の緊張を緩和し、血行を促進します。 | 痛みやしびれの軽減、可動域の改善 |
神経機能の調整 | 坐骨神経に沿ったツボや関連するツボに鍼を刺すことで、神経の興奮を抑えたり、神経伝達を改善したりします。 | 痛みやしびれの軽減、知覚異常の改善 |
鎮痛効果の促進 | 鍼刺激によって、エンドルフィンなどの鎮痛物質の分泌が促進されます。 | 痛みやしびれの軽減 |
鍼灸治療は、坐骨神経痛の原因となっている筋肉の緊張や神経の炎症を鎮めることで、痛みやしびれなどの症状を緩和する効果が期待できます。
また、血行促進作用により、損傷した組織の修復を促し、根本的な改善を目指すことも可能です。
ただし、鍼灸治療の効果には個人差があり、すべての人に効果があるとは限りません。
また、症状によっては鍼灸治療だけでは十分な効果が得られない場合もあります。そのため、他の治療法と併用したり、医師と相談しながら治療を進めていくことが大切です。
6. 坐骨神経痛のセルフケア

坐骨神経痛の痛みを和らげるためには、専門家による治療と並行して、自宅で行うセルフケアも重要です。
セルフケアを正しく行うことで、症状の緩和や再発予防に繋がります。
ここでは、ツボ押し以外にもできる効果的なセルフケアの方法をご紹介します。
6.1 ツボ押し以外のセルフケア方法
温熱療法は、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。
蒸しタオルや温熱パッドなどを患部に当てて温めてみましょう。ただし、低温やけどには注意が必要です。
また、入浴も効果的です。湯船に浸かることで、全身の血行が促進され、リラックス効果も得られます。
ぬるめのお湯にゆっくりと浸かるようにしましょう。
6.2 ストレッチ
坐骨神経痛の痛みを和らげるためには、股関節や太ももの裏側の筋肉をストレッチすることが効果的です。
硬くなった筋肉を伸ばすことで、神経への圧迫を軽減し、痛みを和らげることができます。いくつかストレッチの方法をご紹介します。
6.2.1 坐骨神経痛に効果的なストレッチ
ストレッチ名 | 方法 | 注意点 |
膝抱えストレッチ | 仰向けに寝て、両膝を曲げ、両手で抱え込みます。ゆっくりと胸の方に引き寄せ、数秒間キープします。 | 息を止めないように、自然な呼吸を続けましょう。 |
梨状筋ストレッチ | 仰向けに寝て、片方の足をもう片方の太ももに乗せます。下の足の太ももを持ち、胸の方に引き寄せます。数秒間キープします。反対側も同様に行います。 | 痛みを感じない範囲で行いましょう。 |
ハムストリングストレッチ | 床に座り、片足を伸ばし、もう片方の足を曲げます。伸ばした足のかかとに向けて上体を倒し、太ももの裏側を伸ばします。数秒間キープします。反対側も同様に行います。 | 無理に伸ばしすぎないように注意しましょう。 |
これらのストレッチは、毎日継続して行うことが大切です。
痛みがある場合は無理せず、できる範囲で行いましょう。
また、ストレッチを行う際は、反動をつけずにゆっくりと行うように心がけてください。
6.3 日常生活での注意点
日常生活においても、坐骨神経痛の予防や悪化を防ぐために注意すべき点があります。
同じ姿勢を長時間続けないように心がけ、こまめに休憩を取りましょう。
デスクワークが多い方は、正しい姿勢を保つことが重要です。
また、重いものを持ち上げる際は、膝を曲げて腰を落とすようにし、腰への負担を軽減しましょう。
適切な体重を維持することも、坐骨神経痛の予防に繋がります。
これらの点に注意することで、坐骨神経痛の再発を防ぎ、快適な生活を送ることができます。
7. まとめ

坐骨神経痛は、お尻から足にかけての痛みやしびれを引き起こす辛い症状です。
この記事では、坐骨神経痛に効果的なツボの種類とそれぞれの効果、刺激方法、そして鍼灸治療との関係について解説しました。
環跳、殷門、承扶、委中、崑崙といったツボは、坐骨神経痛の症状緩和に役立つ可能性があります。ご自身でツボ押しを行う際は、無理な力を加えず、心地良いと感じる程度の刺激で行うようにしてください。
ツボ押し以外にも、ストレッチや日常生活での注意点に気を配ることで、坐骨神経痛の予防や改善に繋がります。
ご紹介したセルフケア方法を試しても症状が改善しない、あるいは悪化する場合は、医療機関への相談をおすすめします。
何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。




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